温かい手

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 北東側の通路の入り口の木戸が壊れたので、アルミの扉に替えることにした。北側の駐車場から、荷物を持って南側玄関に回る際に、足元が悪くなってきた昨今、細い路地が通り難くなっている。この際、北西側の細い空き地も扉を付けて、通れるようにしようと。 
 17、18、19の3日間、左官の佐藤さんが工事に来てくれた。腕の良い職人さんなので、細すぎる通路に合わせて既製品の門扉のサイズ調整やら諸々の問題ををやりくりし、北側市道に面した家の左右に扉が付いた。

 22の日曜日に来たハルさんが、2泊で帰る際に、門扉の工事で出たブロック破片4個と、土塊を入れた袋4個、60~70キロほどを、ハルさんの家の近くにある、有料の廃棄物処理場で始末してもらおうと、彼の車に積み込み24日火曜日小見川へ。そのまま処分場へ行ったが、埋め立てゴミは処理できないと断られた。専門の処分場はどうやって探そうと、頭が一杯になった。汚く重いものをハルさんの車に乗せたままでは置けないし、私の家よりはかなり広い敷地ではあるにしても、預かって頂くのも辛い。
 夕食の買い物をして帰ろうと、何時も行くスーパーに寄ることに。入り口で2、3人の女の人がスーパーの駐車場の向こうを見ながら「今まで住んでいたところを壊すのは辛いわよねぇ」「いくら新しい家になると言ってもねぇ」と喋っている声が聞こえた。彼女たちが見ている先、駐車場の向こうの塀外に、黄色いショベルカーのアームが見えた。「ひょっとしたら、あそこの解体している残土と一緒に、処分して貰えないか訊いてみたい!」とハルさんに言うと「そんな、無理ですよー。家の何処かの隅にでも積んで置けば良いし、そのうち役所で訊いてみますから」と引き留めるけど、私は彼のご好意に甘える訳には行かないから、交渉したいと主張し、解体場の近くへ車を回してもらった。
 囲いの中を覗くと、シャベルでゴミを掬ってゴミ用の袋に入れている...ヘルメットを被っているけれどまだ幼さの残る多分16、7歳の若者に「あのう、ちょっとお話をさせていただきたいのですが、聴いて下さる人はおいででしょうか?」「はい、ええ、丁度社長がいますから、呼んで来ます」と、ショベルカーの向こう側へ。ショベルカーのエンジンが切られて、ヘルメットの40歳ほどの男性が、回り込んでこちらへ。「すいませんお仕事の手を止めさせてしまって...。実は今、家のブロック片と土を市の大型処分場へ持ち込んだら、埋め立て用は扱えないと言われちゃって、どうしようと思っていたら、こちらで解体なさってるのを見て、ひょっとしたらお願いできないかと...」そこまで聞くと「あ、いいっすよ。どれっすか」と、ハルさんの車のトランクに入っている袋を見て「わかりました。いいですよ」と快諾。ハルさんの手から重い袋を軽々と受け取り、ポイポイと土塊のところへ。そのまま踵を返そうとした。「あの、お支払いはいかほど...」「良いですよ」と全く気に掛ける様子もない。「そういう訳には行きませんから...」と、千円札を取り出しているうちに、行ってしまいそうなのを追いかけて彼の手を取り「こんな重い物、どうしようと途方に暮れていましたので、本当に助かりました。ありがとうございます」と手の中に千円札を押し込み、手を合わせて頭を下げた。「そうっすか、すみません」と軽い笑顔でショベルカーに向かった。小柄でがっしりした彼の、温かい手の温もりが心の中まで温めてくれるようだった。

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