天保水滸伝

 先日カラオケで、初めて三波春夫の「大利根無情」を歌ってみた。
 ♪利根の 利根の川風よしきりの 声がつめたく身をせめる これが浮世か 見てはいけない西空見れば 江戸へ江戸へひとはけ あかね雲♪
 子ども時代に聞いて馴染みのある歌は、しっかり覚えていて、歌えるものだと感心しつつ、ニワトリが絞め殺されるような声を振り絞っていた。
 島津亜矢の「大利根しぐれ」は以前2、3回歌ったことがある。このどちらにも歌われている平手造酒という男の終焉の地へ行ってきた。
 千葉県香取郡東庄町笹川の大利根河原。ここは笹川の茂蔵と飯岡の助五郎の捕物というか、博徒の切り合いの中で、平手造酒が命を落とした地。この時平手は37、8歳だったとか。腕の立つ元は侍だった男が、やくざの決闘に巻き込まれ、ただひとり命を落としたところ。
 以前、土方歳三の終焉の地、函館も幾度か訪れている。男盛りに、命を落とさねばならなかった、その背景に、いかにも日本的な情のようなものを感じて胸にくる。現代はそのくらいの年代の男性が、沢山自死していると聞くと、死なねばならぬ、どんなしがらみがあったのだろうと、やりきれない気持ちになる。
 晴れ男と晴れ女のミニ旅も、珍しくきょうは時々雨。私はこういう時、傘は持たずフード付きのジャケットで行くので、少しも気にならず、歩き回れるけれど、S.h氏は、顔をしょぼつかせて濡れて歩くので、「張り子の虎は、濡れると溶けちゃうのねぇと、幼馴染の心やすさで、からかったりしながら、竹下夢二や佐藤春夫の記念碑までも見て回った。雨に煙るたっぷりの緑や荒波。滅多に見られない眺めが楽しめた。
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