懐かしいあの頃

 久しぶりにIeさんのお宅へ。ホットサンドと綺麗な色どりのサラダに、かぼちゃのポタージュ、お洒落で美味しいランチを、ご馳走になり尽きない楽しいお喋り。
 Ieさんは、中学時代の親友。高校時代に途絶えていたお付き合いが、数十年ぶりに再会できたとき、互いに沢山の共通点を持つ大人になっていたことに、感動すら覚えた。以後、時折会えて、楽しい時間が持てている。
 カボチャのポタージュのレシピや、ホットサンドのパンの厚みが丁度良いのは六枚切りを、トーストしてからパンナイフで、半分にカットするグッドアイディアも教えてもらった。お互い工夫するのが好き、料理が好き、食べるの大好きも同じ。画像
  いかにも彼女の作品らしい、完成度の高い和布のパッチワークが、額に入れて壁に掛けてある。「母の手持ちの布だけで作ったの」額から出し、愛しそうにそれぞれの色のパーツを、撫でている。その様子に、モダンで素敵だった「大好きなおばさん」のあの頃の姿が浮かびあがる。本当にしょっちゅうお家に、上がり込んでいたあの頃。
 当時、90歳代のお婆ァちゃんも、お元気で何時も縫い物をしておられた。ひと巻きの糸に、針を沢山通して置いてあげると、針をずらしながら必要なところで糸を切って使えば、「長い間糸通しをせずに済むから、助かるの」と喜んでもらえた。そんなやりとりを見ながら「貴女は優しい人ね」って褒めてくれたのは、Ieさんの母上だった。綺麗にカールした髪を何時もきちんと纏めて、それが良く似合っていて...、密かに憧れていたものだ。
 作品には、泥大島がふんだんに使われていて、これを「おばさん」が着たらと思うと、その様子が見えるようだった。そして好きだったろうなぁという、臙脂や紫色、柄ものの縮緬が上手に配置されて、娘のIeの手でパッチワークの作品になっている。じっと見て居ると、「おじさんも、おばさんも昔は『モボ・モガ』だったのよ」クルクルしたチャーミングな目と、お茶目な表情まで浮かんできた。モボ・モガの意味はあの時、おばさんから教えていただいたと記憶している。懐かしさが胸に込み上げて、多弁の私もちょっと言葉少なになる。
 そう言えば、Ieさんのそこここに、あの頃の「おばさん」のお顔が重なる。似ているとは思わなかったけれど、今ではやっぱり似ている。私も、母は痩せたタマゴ型の顔立ち、私はエラの張ったゴツイ顔、父似と思っていた。が、この10年間、度々春先に体調を落とし、4キロほど痩せた今、角度によっては母似の感じが出て来ている。
 バス停まで送ってくれた彼女、「共通の趣味や好みが多いって、良いもんね」とぽつり。「それそれ、今私も考えていたのよ」と思いつつ「そうよねぇ」と大きく頷き、開いたバスのドァーの中に。切ないほど懐かしいあの頃に、タイムトリップできた午後だった。

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この記事へのコメント

イエティ
2013年03月16日 23:15
本当に楽しいひと時でしたね。
ちいちゃんのこのBlogを読んで私も、あの当時の懐かしい古い家での生活を思い出しました。
そして私が忘れてしまっている事をちいちゃんが覚えていてくれて、思い出させてくれた事に感謝しています。
そういえば私が年を重ねるごとに母に似てくるのを自分でも実感しているのですよ。
ちいちゃん
2013年03月17日 21:33
そうかぁ...って独り言のあとに、懐かしさからでしょうか、胸が一杯になりました。貴女も私も、あのころの母親たちに重なって行くとしたら、それも悪くないですよねー。静かにゆっくり歩いて行きましょうネ。
イエティ
2013年03月19日 07:27
共通の趣味の他にもう一つ、「共通の思い出」があるって、素晴らしくありがたいものですね。私もしみじみといろんな事思いました。

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